大好きな手紙

私は何度も手に取り、繰返し読み
その度、心がほんわか温かくなる手紙を持っている。

それは父が単身赴任中に母から父に宛てた手紙で
父が亡くなった後、整理していて見つけた物。

父は私が高3の冬から5~6年の間、大阪に単身赴任していた。
父が居ない間、祖父・母・姉・兄と私の5人暮らしで
母はパートで外で働きながら、多感な年ごろの3人を育て、
家事を切り盛りし、認知症でわけのわからなくなってしまった実父の世話までしていた。

母は何があっても弱音を吐かず、なんでも一人でこなしてしまう人で
いつも柔らかい微笑みで私たちを見つめ、食卓に並びきらない程のおかずを
毎日毎日作ってくれた。

祖父の認知症が進み、あきらかに大変な時も愚痴をこぼさず
笑顔で一人、乗り切った。
その祖父も父の赴任中に亡くなり、母は立派に見送った。

私は今でも母の事を心から尊敬している。
父が居ない間、何の不安も不満も無く居られたのは
強くて優しい母が父親の役目もしっかり果たしてくれたからだと思う。

この手紙は、子供の前では、しっかり者の母が
ほんの少し父に甘え、頼りにしているのが分かる可愛らしい内容。

切手が勿体ないからか毎日2~3行書いては、日記のように
2週間分を一枚の封筒にまとめ送っている。

姉が仕事で悩んでいるようだ・・・とか、
兄が新入社員研修で出張して頑張っている事。

姉が友達と旅行に行き無事戻ってきてほっとした・・・とか、
兄が車の整備士の資格を取った事。

そして、いつも
「純(私)は相変わらず元気で、楽しそうにはしゃいでいます」などと締めくくられてる。
私も人並みに、悩んだり頑張ったりしてたってば!(笑)

この手紙に書かれているのは、私たち子供の楽しい事ばかり。
祖父の世話の大変さや、仕事の愚痴は一切書かれていない。

いつも赴任中の父を気遣い、好き嫌いが多かった父に
「お口がまずくても我慢して、きちんと食べてくださいね」とか
「面倒でもカッターシャツはクリーニングに出して、清潔な身なりで居て下さいね」
とか子供を見守る母のように優しい言葉が並んでいる。

父が帰って来た翌日の手紙には
「昨日、シャンプーを買っておいたのに荷物に入れるの忘れて、ごめんなさい」とか
「やっぱり、お父さんが帰って来てくれると嬉しくて、ほっとします」なんて書いている。

私達にとって偉大な母。
そして父にとっては、頼れる伴侶であり可愛い妻だったんやね。

母が一日の終わりに、こんな手紙を書いていた事を私は一切知らず、
それを死ぬまで父が大切にとっていた事も知らなかった。

この手紙で両親がとても仲が良かった事がうかがえて嬉しくなる。
そして手紙の中で、母はいつも父に感謝の気持ちをたくさん述べている。
素敵な夫婦だったんやね。
見るたび、ほっこり顔がほころびます。
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こんな優しい気持ちになれる手紙を残してくれた両親に感謝します。
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by pixy1008 | 2008-12-17 10:47 | 自分